業務効率化をするとお店の個性や良さが無くなるという話
スターバックスというカフェがあり、こちらは「カップに絵やメッセージ」を書いてくれることから日本では人気があります。
しかし、最近はこの「絵・イラスト・メッセージ」を廃止して、「シール」に張り替えるという店舗が増えています。(全てではありません)
実はこの「シール」に張り替えるという行為は非常に評判が悪いのです。
私は「この対策は失敗になるのではないか」と思っています。
スターバックスでは店員の手書きのカップこそがお店の本質でもあったのです。
スターバックスはこの「メッセージ・絵・イラスト」という物を通して、お客さんとコミュニケーションを取れることが魅力なのです。
スターバックスはライバルのドトールやタリーズと違って、店員が明るく個性を持ってお客さんと接していることが人気があります。
明るく、気が利いて、非常にフランクな態度でお店に足を運びやすかったのです。(最近は落ちていますが..)
コーヒーの味やメニューに関してはそれぞれ意見はあるでしょうが、お店の雰囲気やお客さんが来たくなる要素は非常に上手く作られています。
店員によっては面白いメッセージや個性的な絵などを書いてくれるので、それがまた人間味があり、他社とは大きく差別化されていました。
これは他の店舗にはない戦略で、スターバックスの創業者であったCEOが言っていた「人間ビジネス」にまさに合致するものでした。
私も以前関係ないゴミのペットボトルを持っていた時に、それに気がついた店員が代わりに処分をしてくれました。
これは通常のアルバイトではマニュアルには書いてあることではなく、その店員の判断によるものでした。
一人一人が考えた行動を取ってくれるので、仮に多少失礼な行為があってもどこか許せるようなところもあったのです。
しかし、他にもこの記事にあるように、多くの顧客がガッカリとしています。
「カップのメッセージやイラスト」廃止の理由は、「間違えの防止」とあります。
確かに私も忙しい店舗では「店員の作り間違え」を見たことがあります。
メッセージやイラストが書いてあると、若干何を作っていいか見にくくなることがあるのです。
またコーヒーは1つ作るのにも時間がかかるもので、店員はコーヒーを作っている間は休み暇もなく働いています。
ですから、経営の判断としてもメッセージではなくシールにして見やすくすることは、効率化として必要です。
また誰でも読み取りやすいシールにすることは、グローバル企業であるスターバックスには必要かと思います。
コーヒーの味は誰が作るかによって大きく変わります。
例えば、カフェラテも同じ豆を使っていても、苦みやまろやかさは作る人次第です。
コーヒーは作る人の個性のようなものです。(特にカフェラテやカフェミスト)
今回の件は「人がコーヒーを作る」ということに力を入れた企業が、顧客が店員それぞれの人間らしさやそのお店独自の個性を損なってしまうかもしれない変更だと思います。
このスターバックスのホームページからは「人間らしさを大切にしている」と理解できます。
しかし、最もスタバが人間らしさで評価されていたお客さんとのコミュニケーションの大きな部分が今回の件で減ってしまったともいえます。