実は人の知能というのはここ100年で下がって来ているようです。
意外かもしれませんが、人間は進化ではなく退化し始めているのかもしれません。
以前、「IT化や商品・サービスで便利になった一方で、私達は「魚の捌き方すら」忘れてしまった」で書いたように、今は何も知らなくても過ごせるほど商品やサービスが拡充したので、私達ができることが増えてきました。
このため私達は「昔の人よりも進化している」「今の人の方が優秀だ」と感じているかもしれません。
しかし、残念なことに「人間の頭が良くなってきている」わけではありません。
むしろ、私達は曾曾祖父の時代と比較すると知能レベルは下がって来ているようです。
この原因には
- 「環境要因(教育制度やメディアなど)」
- 「知能の高い女性が子供を産まない」
などが取り上げられています。
私は1つ、時代によって「体験型の知識量」が少なくなったことが原因ではないかと思っています。
今の時代はインターネットで色々な情報に触れられますが、体験して知識を得るということは減っているように感じます。
ネットや本の情報はあくまでも「頭」で理解するものが多くなっています。
昔は「身をもって知る」という言葉があったように、体と頭は非常に深い関係にあったと捉えられています。
つまり、知識ではなく知恵や叡智というものをどれほど持っているかということが、知能と関係しているのではないかということです。
この知恵(叡智)が社会の発展に伴って、外部化されて商品化やサービス化されてしまい、人間が行なうことが大幅に減ったのです。
そのため私達は商品やサービスの恩恵を受ける一方で、洋服に空いた穴も直せなくなってきています。
現代は知識が増えて頭でっかちになっていますが、この体を通して学ぶような知恵を軽視してしまうと、人の知能も自ずと下がっていくのではないと考えています。
昔の人は自分で大体のことはやってしまいましたし、無い物は必要があれば自分で作ってもいました。
現代の方が生活も便利ですが、「人の頭が良くなっている」「人間が進化している」というのは思い過ごしかもしれません。